新たながん治療に繋がるかもしれない研究についての記事を読みました。
光で狙った細胞を自死させることに成功、副作用ないがん治療へ 岡山大
小林久隆先生が開発された光免疫療法(近赤外光線免疫療法)とはどう違うのかな?と思いながら読むと、細胞の死に方に大きな違いがあるんだそう。
光免疫療法は、薬剤を投与してがん細胞表面のタンパク質に結合させ、そこにレーザー光を当てると薬剤の色素が反応しがん細胞の細胞膜が破壊される、という仕組みです。
この、細胞が破壊される死に方は「ネクローシス」。
対して岡山大・須藤雄気教授の研究チームの細胞死は、「アポトーシス」というひっそりとした死に方。
AR3という物質をがん細胞に合成させ光を当てると、水素イオンが細胞外に汲み出されて細胞がアルカリ化され、アポトーシスに至るんだそうです。
副作用のない治療へ
須藤教授によると、
これまでの光治療で用いる薬剤(化学物質)や細胞の殺し方(ネクローシス)では副作用をなくせないが、タンパク質の一種AR3を用いて細胞のアポトーシスを促せば、副作用のない画期的な治療法に繋がる
とのことですが、AR3をがん細胞に取り込ませるための方法は本当に安全なんでしょうか。
細胞にAR3の遺伝子を注入する(mRNAワクチンの仕組みに似ている)とのことですが……?
そもそもまだ線虫での実験結果であり、哺乳類での検証はこれから(2022年3月現在)。実用化されるとしても相当先になりそうですね。
長く生きれば可能性が広がる
もうすぐ肺がん治療開始からまる6年になろうとしている私。
2016年当時からは随分時代が進んだなぁ、とつくづく思います。
診断も遺伝子パネル検査で様々な変異がわかるようになったし、薬剤や放射線治療の種類が増えて、個々に合わせたオーダーメイド治療の時代に突入。
ちゃんと情報収集していないと、選択肢の幅が狭まっちゃう!
とりあえず今はタグリッソ耐性後の治療について、これだ!っていうものが見つかって標準治療にならないかなぁ、と心待ちにしています。
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