麹菌が作る成分に、がん細胞を死滅させる作用があるという記事を読みました。
日本酒などで使われる麹菌が作る成分・デフェリフェリクリシンに がん細胞を死滅させる作用を発見
日本酒メーカーとして知られる月桂冠の研究所と、甲南大学の川内敬子准教授との共同研究成果です。
目次
鉄と結合する物質の抗がん作用
麹菌が作り出す「デフェリフェリクリシン(Dfcy)」という成分は、鉄と結びつく性質を持っているとのこと。
乳がん細胞をDfcyで処理すると、オートファジー性細胞死が確認できたそうです。
日本酒の製造過程において、鉄と結びついて着色原因となるため不要なDfcy。
しかしその性質を逆手に取って、様々な機能性の研究が行われてきたんですって!
オートファジー性細胞死
細胞の死にはアポトーシスやネクローシスといった死に方があるということは、前回ご紹介した記事でも触れました。
オートファジー性細胞死とは、
細胞死実行過程でオートファジーが誘導され、かつオートファジーの実行が細胞死に必須な細胞死のことを指す
出典:脳科学辞典
アポトーシスとはまた異なり、細胞質に広く空洞化が見られるほか、マクロファージによる貪食は見られないとのことです。
肺がん細胞でも死滅
乳がん細胞に限らず、肺がん細胞や大腸がん細胞でも同様の作用が確認できたとのこと。
このがん細胞の死に方は、新たな抗がん剤の開発につながるかもしれないそうです。
肺がん患者としては期待が高まりますね〜。
今の所細胞レベルでの成果ですが、いずれ動物実験を経てヒトへの効果も検証されるんでしょうね。
3月27日の日本薬学会第142年会にて、この研究成果が発表されます。
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